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- 第36回青山フルートインスティテュート発表会(表彰状)
第36回青山フルートインスティテュート発表会
テーマ「ふえる」
「笛吹きたち」36号文学賞
第1席、諸戸孝明さん、第2席は中村和正さん、第3席は田頭ゆかりさんが授与されました。
笛吹たち三十六号文学賞 |
笛吹たち三十六号文学賞 第二席 中村 和正様 「音楽家のための楽譜を使ったレシピ帳 壱」 暗譜することに苦労している人には今号の中村君の論文は福音書です。 この文章を読んだあるお弟子さんがレシピの通りに試してみました。その人は暗譜が大の苦手でいつも苦労していました。しかし、中村君のレシピ通りにやったところたちどころに暗譜が出来るようになったそうです。その代わりフルーツジャム、グラニュー糖、レモン、シナモン一などの費用がかさみ、おまけに楽譜を食べてしまうのでもう一冊余分に買わなければならないのでお小遣いに苦労しているそうです。そうそう、最近紙ばかり食べているので胃の調子がおかしいとこぼしていました。今や、音大でもこのレシピが出回って試験の時期になるとこれを試みる学生が増えているとのことです。中村君の文章はこんなところでもてはやされているのです。正に暗譜が苦手な人にとっては福音書と言ってもよいでしょう。 よってここに賞します。 というのはうそで実はこれは中村君の全くの創作です。 この通りにすれば暗譜は克服できると説得するために様々な工夫を凝らしています。食暗記の歴史からはじまり、その効果、食用にするためのいろいろなアドヴァイスは緻密です。ここまで人を欺く文章を書けるということは並大抵の空想力、妄想力がなくては不可能なことです。 空想力、妄想力は音楽家にとって不可欠ことです。それがなければ音楽のように何とでも解釈できることはやっていられないのですから。そう言う意味で中村君には音楽家として大成する素養があると言っていいのかどうかはまだわかりませんが、ともあれ今後の活躍を期待しています。 よってここに賞します。 平成十七年十一月三日 師匠こと 石原 利矩 笛吹たちの会一同
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笛吹たち三十六号文学賞 |