笛吹きたち会員

第43回青山フルートインスティテュート発表会


「えがく」

副読本原稿


第43回 青山フルートインスティテュート発表会 副読本

テーマ「えがく」

2.小川 美沙
思いえがいていた夢が、すぐそこまで来ています。中学生の頃、ホテルマンになる、と決意し、今年ご縁があって 会員制リゾートへの内定を頂きました。配属先がまだ決まっていない今、不安もありますが、夢の続きをえがけることに喜びを感じています。

3.坂本 園子
先日、レッスンの帰りに国立新美術館に行った。モネ、セザンヌ、ゴッホからムンク、ピカソ、シャガール等…全てが巨匠の代表作とうたう「チューリヒ美術館展」。
お目当てはモネの「睡蓮の池、夕暮れ」。幅6メートルに及ぶ大作で、いざ目の前にすると時間が止まってしまった。夕陽のオレンジが、水面に映り睡蓮の花まで柔らかく照らして美しい。青、青紫、紫、薄紫…色を重ねて重ねて描いていく。音に音色があるように、いつかフルートも絵を描くように奏でてみたいな…。

4.葛西よう子
作曲家アルベニスは、スペインの街をピアノで描いたという作品があります。特有の詩のリズム、民族舞曲、街の活気や都会的な雰囲気を生き生きと思いを馳せて、ピアノの音楽で表現しています。
 フォーレ・ソナタは原曲がヴァイオリンです。友人のヴァイオリニストの積極的な協力を得て完成したそうです。弦を弾く響きや滑らかさを思い描きつつ、また違うフルートの音楽となるよう演奏できたらと思います。

5.田中 豊 (悪い子でした)

6.佐保田 理恵
心の中で想い「えがく」フルートの音色と,現実に自分が奏でる音のギャップは相変わらず。
今年こそはと、発表会に向けて頑張ってはみるものの、指や身体が追いついていきません。
いつか自分のフルートが美しい音色を響かせる日がやってくることを思い描きながら、「あきらめずに練習をしなければいけないのだ!」と自分に言い聞かせる毎日です。

7.鮎澤 理恵
子供達にはいつも夢を描いていてほしいと願う。
夢は叶わない事のほうが多いかもしれない。けど、叶わなくても、みんな絶望することなく生きている。
夢がかなわなかった時、どう生きるか。これこそが大切な事なのかも。
夢が叶わなくても、今までやってきたがんばりが、人生の次のページで大きく花開くことになるにちがいないから。
私もまだまだたくさんの夢を描いて生きていきたいな…。

8.久慈弥重子
どんな音で吹きたいか、どのように吹きたいか、想像して頭に描きながら吹けるますように。
発表会で演奏するゴーベールの2つのスケッチ(1)平原の夕べ (2)オリエンタル
聴いている人が色や景色を描けるように吹けたらいいなと思います。

9.二見 仁康
心に描くこと
未来を描く、こうなりたいという思いとともに、心に描く、、、、すると描かない場合と比べ、実現の可能性はずいぶん大きくなると言われている。フルートの演奏もそのようだ。曲のイメージ、音の色彩、情感など、心に描くことが大切。演奏前、演奏中に心に描くことが、表現につながるような気がする。この本番でそのように音楽を心に描き、そして表現でき、それが聴衆の方々に伝われば、今日が素敵な1日になるような気がする、、、、と心に描いている。

10.植竹 里奈
私の趣味のひとつに"絵を観に行くこと"があります。月に一度は何処かしらの展覧会へ足を運びます。
単純ですが、作曲家と同時代に生きた芸術家の作品に触れることによって、譜面を見ただけでは分からなかった作曲家の描いたことが分かるような気がするのです。
「ちなみにプーランクはピカソやシャガールと親交があって、ピカソの作品にインスパイアされ歌曲を作ったり、CDのジャケットがシャガールだったり、、それからそれから、、、こういった話は喋り出すと止まりませんなぁ....」
つい先日、フランス絵画展を観に行き、それまでぼんやりしていたゴーベールのイメージがモノクロからマカロンカラーへと変化していき、私の脳内キャンバスに『タイトル:ゴーベール』が絢爛に描かれました。
「えっと、そもそもなぜ今回ゴーベールを選曲したかと言いますと.....」
(独白が長くなりそうなので、ここまでにします♡)

11.小野 宏子
  今日演奏するヴィドールの組曲は、留学したときに、絶対に吹きたい、と思った曲の一つですが、当時の私には難しく、レッスンを受けるレベルにまで持って行くことができなかった、ちょっと苦い思い出のある曲でもあります。スラスラと、多彩な音色を使い分け演奏する他の留学生たちを見ていて、自分もいつか絶対にちゃんと吹くんだ、と思いながら、ずっと楽譜を握りしめてレッスンを聴講していた思い出があり
ます。
  ステージ上でピアニストさんと絡み合うような息ぴったりの演奏をする自分、を思い描いてもう5年経ちます…。思い描いたことがすぐにできたら苦労はないですね。でも、なにごとも思い描かないことには実現しませんので、今日は良いイメージを持って演奏したいと思います!

12.中村 和正
僕のえがく「㈱発表会幹事」のイメージ。
発表会幹事 募集要項
・楽しい発表会のイメージをえがく事ができ、その夢に向かって挑戦したい方。
・音楽教室を運営したいが、発表会作りに慣れていない方。
・チームリーダーとしてグループを引っ張っていく能力を身に付けたい。
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・笛吹き達の会員である。
  以上のどれか1つでも当てはまる方は、是非気軽にお問い合わせください!
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飲み物支給、打ち上げ(反省会)あり!
発表会幹事では、あなたのエントリーを待っています!!

13.高村 玲子
1964年10月10日 東京の上空に美しい五輪が描かれた。
東京オリンピック開会式。
不可能と思われたこの難業を、ブルーインパルスの隊員たちが
試行錯誤の末、成し遂げた。
テレビ番組でこの事実を知った。
そんなに大変なことだったんだ…
「為せば成る」と、日本中が希望を胸に努力していた時代だったと思う。
子どもだった私も、努力をすれば何でも叶うと信じていた。
大人になって、努力がすべて報われる訳ではないことを知った。
それでも、夢や希望を胸に描きつつ、あきらめや言い訳も盛り込みながら
たくましく生きていくのだ!

14.小島 邦雄
子供の頃から絵を描くことが苦手で図工の時間などで上手な人をうらやましく思っていた。絵に限らず芸術の分野ではもって生まれた天性が大きく影響するよう思われ努力しても限界があると考えている。この才能が欠如している自分は上手な人の演奏を頭に思い描いて少しでも近づけるよう頑張りたいと思います。

15.伊藤 敬子
11月に入り、上野の都立美術館で、ウィツィ美術展を見ました。13世紀から19世紀までの、テンペラの絵から油絵に移り変わる時代の変化を現代になっても衰退しない、巨匠の絵に驚嘆しました。平成2年にイタリアでウィツィ美術館で同じ絵を見ましたが、あの時の感動と同様に更に打ち震えた気持ちでした。「えがく」ことは人を感動させ、記憶を呼び覚ますものですね‥‥。
先生が奏でるクーラウの18世紀の曲も同じように、現代になっても新鮮で、かなでる音色に魅了されました。音を「かなでる」ことと、絵を「えがく」ことは、人に感銘を与えるものと、再確認致しました。

16.上野 京子
会社人生も残り少なくなり,その先の自分の生活を思い描くことが多くなりました.
皆さんは二人の名優,Jack Nicholson と Morgan Freeman が共演した「The Bucket List」という映画をご存じですか?
これは癌で入院中に知り合った二人が,人生の最後にやりたいことのリストを互いに作成して実践していく,という内容の映画です.Bucket List という表現が妙に気になって,自分でも何かがあるにつけ,考えるようになりました.
私のリストの中には,絵を描く,読みたいを思っていた本を読破する,などと一緒に「フルートをもっと練習してオケやアンサンブルを含め演奏を楽しみたい」というのがあります.
楽しみがたくさんあるので,早くその日が来ないか,待ち遠しいです.
お付き合いいただける方も募集中です♪

17.田頭 ゆかり
高く舞い上がる思い描いて

今年大ヒットの『ありのままで』の歌詞だが、私の心に描かれるのは、ジュリア・ミゲネス・ジョンソンがカルメンを演じた映画の山岳シーン 
猛禽類が悠大に空高く弧を描く 
そこへ、後の泥沼悲劇とは無縁であるかのような透明な間奏曲 
その、どこまでも澄んだ風景は、『音程が悪いね』という先生の言葉にかき消された 
発表会再挑戦だったのになぁ 
聴き手の心にあの鳥を描き出せる日は、来る? 
の日を思い描きつつ、山道を越えて行きますかねっ!

20.近藤 美津江
色々なことがありました。
いまは時がゆったりと流れていく

季節は春
朝靄の中 陽が昇る
蝶の羽音のようなトリル
飛び立ち踊るような気持ちの高鳴り
小鳥が枝から枝へ飛び移る

都会への旅立ち
愛する人との出会い
それも過去の出来事
この空虚感 絶望感
どこに行ったらいいの

音楽が聴こえる
懐かしいポロネーズ
思い出の地 故郷へ帰ろう
この空気 この解放感
温かく迎えてくれたこの母なる大地。
ここが好き。
大好き。

ライネッケ コンチェルトD-dur OP.283 より

22.木村 真諭紀

24.塩澤 直緒
“心でえがく”
今回のテーマである“えがく”。今年の2月に行った様々な美術大学生による卒業展覧会を思い出した。
絵画、板画、彫刻に立体造形など色々な形で其々の感情等が表現されている中に高校時代からの友人の作品もあった。
友人の油絵作品はいくつか見たことはあったが、この時の作品からはどこか地元を思い出すような、それでいて見たことが無いような冬の風景画でありとても幻想的な作品だと感じた。
後日、友人と話をして見ると、本当は地元の写真を撮り模写する形にしようとしたが都会に出て地元がより一層恋しくなりその気持ちそのままを絵にしたら、地元の風景と自分の理想郷が混ざった絵に仕上がった。心の思うまま描くのは口では簡単だけれど実際行動する(キャンパスに描く)とイメージと違ったりと苦悩もした。と語ってくれた。
苦悩はあっても感情、イメージが無ければ行動も何も無いのではと感じ、私自身も些細な感情の起伏も大切にして音楽であったり、日常でも何かしらの物事に生かせていければ。そんな事を考えさせてくれるような1枚の絵であった。

25.米山 典子
プロヴァンス組曲
ダニエル・シュナイダーによる2本のフルートのための1999年の作品。文字通りプロヴァンスの様々な様子を描いた9つの短い楽章からなる。演奏時間約16分、音の数はとんでもなく多い。
Ⅰ.入り江の孤舟…静かな入り江で波に揺られる小さな舟には乗る人もいないのだろうか。
Ⅱ.藤の花に戯れる蜜蜂…フルートの擬態模写能力を試そうとしているとしか思えない。
Ⅲ.ブイヤーベース…魚介のサフラン風味スープ?でもこれはどう吹いてもブルース。
Ⅳ.ミストラル…南ヨーロッパに吹く季節風。詳しくはP.メイル氏のエッセイ参照のこと。
Ⅴ.広がるきらめき…モネの描く水面はもう少し静謐なイメージだが、これは海かもしれない。
Ⅵ.ファランドール…おなじみの舞曲のオリジナルは6/8拍子。これは超高速の2拍子を基本にした変拍子。どうやって踊るのだろう?
Ⅶ.ぶどうの木とオリーブの木…ぶどうは女性名詞でオリーブは男性名詞。田舎で淡々と暮らす老夫婦を思い起こさせる。
Ⅷ.遥か遠くに聴こえるアフリカ…そういえば、地中海の向こうはアフリカ大陸。モダンアフリカンのリズムがカッコいい。
Ⅸ.エクスの泉…エクス・アン・プロヴァンスには街中にたくさんの泉や噴水があるらしい。サン・ヴィクトワール山からの雪解け水は冷たくて豊富で勢いがあるようだ。
 これを聴いてプロヴァンス旅行に行きたくなった人、私達にぜひお知らせ下さい!

ソナタ・ラティーノ
ⅠSalsa Montunate
ⅡRumbango
ⅢBossa Merengova
ラテン音楽が大好きです。ボサノバ・サンバ・タンゴ…自然に身体の中がリズムに反応しています。若い頃はこれらがフルートで吹けるとは思っていませんでした。でも、タンゴもショーロも始めはフルートとギターなどで演奏していたとのこと。合うはずなんです。もっと素朴な音ででしょうが。クラシックのフルートで描くラテン音楽も増えてきました。だんだんジャンルの壁が低くなっていくのが楽しみです。さあ、今日も愉しくなったら一緒に踊りましょ♪

26.徳植 俊之
 ハチャトゥリアン伯爵の住む古城には、代々の城主が収集した多くの絵画が飾られている。それらは、血塗られた一族の歴史を隠蔽するかのように、室内の壁一面を覆っていた。
 そのコレクションの中に、特に美術愛好家に高く評価されている一枚の絵がある。ハチャトゥリアン家の初代が描いたと伝えられる連作「仮面舞踏会」の中の一枚で、「悪魔のダンス」と題されたその絵には、見る者の目を釘付けにしないではいられない魔力が秘められていた。画面の中央に描かれているのは、初代自身と思われる初老の紳士と若く魅惑的な貴婦人である。二人は、広間で手に手を取り合って踊っているのだが、なぜか大きく見開かれた紳士の眼には眼球が描かれていない。口元はゆがみ、それは苦悶とも快楽に酔う歓喜の表情とも見える。一方の貴婦人は、蠱惑的なまなざしをこちらに向けながら、背中にまわした手は紳士の心臓をえぐり取っている。二人の周囲には天使が飛び回っているが、それらの天使には羽がなく、黒い尾が伸びている。さらに奇怪な姿をした多くの魔物が、これもまた残忍な笑みを浮かべながら、ダンスに興じる二人を指さしてなにやら話している。
 画面には一族の繁栄を誇示するかのような美麗な室内装飾や家具・調度品などが描かれているのだが、よく見ると柱の一部が崩れ始めている。いや、先ほど見始めた時には柱は壊れていなかったはずだが……。おや、高価な指輪やネックレスが置かれていたテーブルが倒れ、床一面に宝石が散らばっている。壮大な宗教画が描かれていた天井も崩壊し始め、黒雲に覆われた空が見えている……。そうなのだ。この絵は、鑑賞者の目の前で、滅び行く歴史を描き続けているのだ!それは、虚飾と欺瞞に満ちた現世がやがてたどり着くであろう、この世の果てを目指しているかのように。

27.川崎 厚
小生、こう見えて、少し絵心があるのです。子供のころはよく絵画で入選したものです。高校時代の選択科目も、迷うことなく音楽ではなく、美術を選び、気難しい美術の先生に石膏デッサンをすごく褒められたのが今でも自慢です。
それにくらべて音楽はどうも苦手でした。幼児期のヤマハ音楽教室はまさに音我苦教室で、下手なのを見て親も諦めていました。
でも苦手であったはずの音楽が趣味になって30年以上です。絵で言えば虹のような色彩豊かで透明感ある音色を目指してますが、難しいですね。