笛吹きたち会員

第39回青山フルートインスティテュート発表会

テーマ「のぞむ」

副読本原稿


01 久慈  弥重子
のぞむ。発表会の曲シャミナーデのコンチェルティーノに臨む。
上手く吹けるように望む。 多くを望んではいけないけれど、「のぞむ」っていい言葉だと思います。
「 のぞむ」ことは大切なこと。

02 近藤 美津江   のぞむ
のぞむとてにはいりのぞまないとてにはいらない。
つよくのぞめばかなうらしいけれど
かるいのぞみはかないっこない。
つよくのぞんでもつよくれんしゅうしないと かなうのぞみもかなわない。

03 植竹 里奈
10月のクーラウフェスティバルで『オイリアンテ』を演奏したので、幹事復帰曲として発表会もウェーバー繋がりで『魔弾の射手』を選んでみました。
魔弾は、7発中6発までは射手の望むところに命中しますが、最後の1発は悪魔の望む箇所に命中する魔法の弾です。
先日、26歳になりました。フルートを本格的に始めて10年目です。やっと10年。されど10年。 この世に生を受けた27発目がどうか悪魔の望む一発にならぬよう、自分の思うままに命中できますように。

04 上野 京子  のぞむべくんば...
小学校時代に戻って大好きだった祖母に会いたい.
中学校時代に戻って「この人とは一生友達でいたい」と思った瞬間をもう一度味わいたい.
高校時代に戻ってあのときどうしても言えなかったあの一言を声に出して言いたい.
大学時代に戻って部活に没頭して「燃え尽きた」と言いたい.

大切な瞬間をこれからももっと,もっと作って,豊かな人生だったと言えるようになりたい.

05 成瀬 忠
あと何年生きられるか分からない年齢となり、これから大きな「のぞみ」を持てるわけはない。
毎日健康で生活できれば良しとしなければいけない。 とりあえず、これから受ける腰の手術が成功し、普通に歩行できるようになれば、というのが当面の「のぞみ」。  
 発表会で自分なりに演奏できればというのも虫の良い小さな「のぞみ」。

06 斉藤 源一  「のぞむ」
私はのぞむ 自由を。

何ものにも依存しない 自律した自由を。

ディア-デの世界から解き放たれ
己の存在を自ら律する
毅然たる自由を!

何にもまして私はそれをのぞみ
希い求める。

07 山本 喜子    どちらに向かってのぞむかという話
先月、中国に行ってきました。外交問題などいろいろありますが、これは中国でのトイレのお話です。ホテルなどの洋式のトイレは問題ありませんが、中国のトイレには金隠しなるものがありません。日本で言う和式のトイレに近いですが、カバーがないのです。ですからどちらに向かってのぞむか迷うわけです。そんな時中国のデパートのトイレに入ったところ用を足していたおばあさんと目が合いました。ドアのほうに向かってのぞんでいたのです。ドアは閉めてのぞんでほしいと思いましたが、私の疑問は一気に解消されました。今日の発表会は迷わずのぞみます。謝謝

08 坂本園子(ティーノ)   “のぞむ”
発表会に臨むにあたり、考えた事。それは、どうすれば緊張せずに演奏出来るかでした。

まずは、深呼吸。 目を閉じて、深く深くゆっくり息を吸って吸って~~
はいてはいて~~。
まったく緊張ってやつは、どこからやって来るのでしょうか。緊張しいの私にとって、発表会は緊張との闘いです。
リラックス、リラックス。
ブレスをたっぷり取って、ゆったりと吹きましょう。
リラックス、リラックス。
せっかくの晴れ舞台、音楽を楽しみましょう。そして、日頃の練習の成果が出せます様に…。

09 脇川 たみ子
今回は初の青山発表会に臨み
青葉台とは違った感覚でレッスンに臨んできました.
私の演奏をたまたま聞く羽目になってしまった方々に
良し悪し,何でも構わないので,
感じる何かをもって頂ける演奏ができたらな~望んでいます.

10 木村  眞諭紀  
子どもの頃は、たとえば神様に健康を願うことなど、何てつまらない望みだろうと思っていました。もし、つかまえた金の魚を海に放してやったお礼に、何でも望みをかなえてやると言われたら、自分だったら何を願おうかといろいろ思いを巡らせたり
したものですが、この頃は本当に健康が一番。奇跡でも起こってくれないかと思うようになりました。今でも心の中には大小様々な望みがいっぱい。自分でどうにか近づけるもの、自分ひとりではどうにもならないもの・・・。目下の望みは、クーラウの
ソナタを自分の咳に邪魔されずに吹き切ることです。

12 鮎澤 理恵   「毎朝望む事」  

3歳になったばかりの娘は、ここ最近、毎朝パジャマを着て保育園へ登園している。自分のお気に入りのパジャマでないと絶対、絶対ダメなのである。私が何を言ってもダメ。毎朝着る着ないで私と娘のバトル。泣いて暴れる娘を見かねて、私はあきらめ、娘はケロッとした顔で保育園へ行くのだ。
いつになったら恥ずかしさに気づくのかしら。早くまともに服を着て行ってほしいと望む毎日である。

それにしても、この意志の強さは誰に似たものか。
私も強い意志を持って練習し、今日の発表会に臨む事ができたらと思う。  

13 鈴木 勇人
来年こそ、自立したいです。
今私は実家で暮らしています。
家には、ほんの気持ちばかりのお金をいれて生活させていただいてます。
周りや年齢を気にしてとかではなく、何だかこのままずっと実家暮らしなのかなって思ってしまって。
水道代や光熱費、食費を全て自分でまかなうのは私の給料では大変なのは容易に想像できますが、自分で生活できた上で仕事とフルートを頑張りたい。

14 三木 恭子   『のぞむ』
私の趣味の1つは旅をする事。町の一番高い場所を探して、そこから、景色を望むのが大好きです。
大きな都市なら車も小さく見える程、小さな村で高い建物がなければ、丘に上がってみます。
教会の段々狭くなっていく螺旋階段を、上から見える風景を想像しながら一歩一歩登るとそこには想像を超えた素晴らしい景色が広がります。風を感じながら幸せな気持ちになるのです。
でも今日望むのは景色ではなく「高い音」。 何とか出ます様に!

15 中村 和正   レッスンにのぞむ前に、レッスンにのぞんだ後に。  
みなさんは、毎日の練習やレッスンにどのような態度でのぞんでいますか?ここでは正しいレッスンへの、のぞみ方を教えましょう。  
まず、きちんと練習をしていきましょう。どこの世界でも先生というものは、生徒が練習してくると喜ぶ生き物なのです。まず練習は1曲を仕上げるのを止めましょう、そして複数の曲を譜読みし、つっかえつっかえでもなんとか最後まで見たことを伝え ましょう。
質より数をこなす方が見栄えがします。(ただし、数をこなしても、その曲がいつまでも完成しなかったら怒られます。)  
次に月謝の払い方です。まず、新しいお札を用意しましょう。これも見栄えです。次に、そのお札の顔の部分、野口英世や樋口一葉や福沢諭吉の、目や口の部分を縦に山折り谷折りして笑顔をつくってあげましょう。(注:2千円札は使わないように!)これで先生はあなたの事を、芸術の才能があるなー、と感じるでしょう。  
最後にレッスンが終わってからです。先生に良い評価や悪い評価を受けたりもするでしょう。なので、先生にも評価をつけてあげましょう。帰りにこっそり手帳に評価をメモったり、楽譜の隅に書いてあげましょう。よく子供の生徒さんが、曲が出来た らシールをもらったりする事がありますが、もらってばかりでは不公平なので、先生にもシールをあげましょう。これで先生も大喜びです。  
最後に、今まで書いた事を実際に行う場合は自己責任でお願いします。  

笛吹きたち39号のクイズの答え。  
?@→81ページ終わり3行  
?A→79ページ、「その一」の最初の一文。84ページの最後三行。  
?B→81ページ「その二」の最初の一行。  
オマケ→81ページ中央の1番上のカタカナを左から読むと「コアラ」に。

16 田頭 ゆかり
10月のクーラウフェスティバルで、練習時間と気合いを使い果たしてしまった(全員合奏しか出てないのに…!)。普段のレッスンで曲集の曲を順番に吹いているが、今、習っている曲をそのまま発表会に持っていくしかない。マイナス(実は大っ嫌いなモーツァルト)×マイナス(最低なモチベーション)で気持ちをプラスに転じ、発表会に臨む。何せ、この発言で、世の大勢のモーツァルトファンを敵に回し、スリルとサスペンスが味わえること、間違いなし、であるから。

17 伊藤 敬子  
七月から青山へ一人でのレッスンを変わり、一時間があっという間に過ぎ、自分の不協音、手の動作の遅いこと、竿のほか色々問題の多いこと。ありすぎて言いきれない老人です。 ああ、フルートの音がなめらかに、きれいな音に変化するには、練習のなさ、自分の決心の弱さにあるのだと思う・・・。でも孫のピアノと演奏できる日までに、間にあいますか難問です。

18 佐保田 理恵
昨年秋に母を癌で亡くし、やっと気持ちが落ちつき「癒しと、潤いのある日々を過ごしたい」と思って始めたのがフルートです。優雅な音色、銀色に煌く美しい楽器に一度触れてみたい憧れがありました。まだ音も出ず、指は動かず、息は切れ切れと悩み ながらのレッスンです。先日、主人の母もホスピスで亡くなりました。初めての発表会の曲セレナーデを天国にいる二人の母に聴かせてあげたい。上手くは吹けないけれど心をこめて。

19 藤崎 孝美
今以上にのぞむことなんて、何も無い。

今の幸せがひとときでも長く続きますように。
自分も家族も健康で。
励まし合える友達がいて。
やりがいを感じながら働くことができて。
フルートを楽しむことができて。

何も無いなんて、うそ!
こんなにも欲張りな私。

20 塩澤 直緒

秋になって長野の山がふと恋しくなる。
あの山から広い風景を望むように、自分の音も客観的に聴いて、もっと上達することが私の望み。
自分の音をよく聴いて、ピアノの音もよく聴いて……。
口で言うのは簡単だけどやってみると難しいなぁ。

21 坂井 直子(ティーノ) 
ワークショップに葉書を書いた時は、「趣味がフルートってお洒落かも」なんて、ささやかな「望み」だったのです。
それから、リリス、青葉台、青山と時は過ぎ、望みも、夢も少しずつ大きくなって、ほんの少しの欲も生まれました。
そして、初めてフルートを手にした日には、想像もしなかった「青山」での発表会です。勢いでここまできたような、不安をいっぱい抱えて、私、デビューのステージに臨みます。

23 小島 邦雄    のぞむ
のぞむと聞いていくつものの意味がある中で一番目に感じたのは「臨む」です。一年間のレッスンの結果としてこの発表会に参加し人前で演奏する事。適度な緊張感と結果を予想しての諦め。また来年に望みを託して。

24 山口 和克  のぞみ
生きるものの本質は「望み」にある。
ロマ書に言う、「目に見ゆる望みは望みにあらず。人その見るところを争でなほ望まんや。我等もし其の見ぬところを望まば、忍耐をもて之を待たん」
忍耐こそが望みの裏付け。同じく、諦めも。生物はみな心得ている。